今更だがトータルテンボス「漫才ベストライブ しのびねぇな。かまわんよ。」の感想を書く。

本日はM-1準決勝が行われている中、私は家に引き篭もってDVDやら録画した24やプリズンブレイク・アニメ・Lifeなどを一気に消化。その中で、今回はトータルテンボスのDVDの感想を書きます。

M-1グランプリ2007において、大本命とされていたトータルテンボス。漫才のベストライブという名の通り、テレビで馴染みのものが多かった。

このDVDに収録されているのは「トータルテンボス M-1の軌跡」だ。DVDには11本ものネタが収録されているのだが、その全てがM-1用に作ったであろう構成になっている。

それは「漫才コント」であり、ひとつひとつの尺が短く、テンポが非常に早い。間を詰めに詰めて、一切の即興性を無くす。そして、終盤でそれまでボケを伏線として一気に畳み掛ける。そして、彼らの漫才の特徴は(南海キャンディーズが1番わかりやすい)要所要所のツッコミのフレーズに非常にこだわった漫才。これはつまり、ボケ自体で笑い、ポイントでツッコミのフレーズで重ねて笑うという1つのボケで2度笑える構造を取り入れている。これは絶対にM-1を意識した漫才。M-1に勝つ為の「完成度の高いスタイリッシュな漫才」だ。そんなM-1王者になるためのネタが詰まっている。しかし、彼らは突如として現れたサンドイッチマンのゆったりとした間、敗者復活のドラマ性の前に屈してしまった。

このDVDは「トータルテンボスM-1グランプリ2008」と言っても過言ではない。そして、翌年の2008では同じスタイルである(おそらく、トータルテンボスが卒業したから出番が回ってきたであろう)ノンスタが優勝したという事実。1年。もし、後1年全ての事が早かったら、優勝しただろう。本当に「時代が悪かった」としか言いようがない。

ちなみに、ノンスタとトーテンの大きな違いはツッコミ。前述の通り、藤田は非常にフレーズにこだわったツッコミをしますが、井上は「なんでやねん」「違うやろ」と状況説明しかしません。2006・2007とノンスタでなくトーテンを決勝に上げたのはこの「ツッコミの質」の違いからでしょう。そして、2008年。ノンスタはほぼ全てのボケに対して石田自ら突っ込むという「トーテンの構造の究極版」である「ボケ・ツッコミと説明」のコンビで優勝したのです。う〜ん、物語がありますなぁ。

しかし、麒麟トータルテンボスは本人達は不満かもしれませんが、舞台芸人として漫才をし続けて、定期的に単独ライブやDVDをリリースして欲しい。

個人的には、このDVDを見て、2006の「ラーメン屋」で松本人志が「もっとうけてもいいと思う」が凄く実感できた。また、撮りだめしていた大村の藤田へのいたずらが収録されている。これが本当に「ドッキリ」でなく「いたずら」。そして、大村のいたずらに関して藤田は怒らないで笑っている。その中で飛び出た名言「だって、トモダチだろ」。相方である前に友達。あぁ、愛おしいぜコンビ愛。