「フラミンゴ CONTE COLLECTION Pink」の感想を書く。

久々に感想を書きたいDVDに出逢った。

近年、コント師には「3人以上」が増えてきている。それは、M-1が現在飽和状態を迎えているように、コントも一種の飽和を迎えてきているのではないか。そして、その飽和状態を打開するような新たな形を創造出来るコント師はなかなかいない。そのため、コントの世界は3人組以上という新たな枠組みの中へ飛び込む人が多いのではないかと考える。

しかし、構造は以前とは変わらない。多くのコント師達はボケを複数にする、所謂「大ボケ」「小ボケ」に分ける方法をとり「ツッコミ」は1人で固定というシステムをとっている。要するに、ボケとボケでノリを作り、それにツッコミが突っ込むというノリツッコミのコントとも言える。要するに、トリオにすることによって、そのボケに対して「ノリ」と「ツッコミ」両方の面から笑いを作る事が出来るのだ。要するに、3人組の場合、正確には「ボケ」「ツッコミ」「ノリボケ」という構造だと考える。

フラミンゴという3人組のコント師がいる。見た目は小さいオレンヂ(最近、本名の辻本に戻した)、ちょっと太めの吉田ウーロン太、ちょっとイケメンの竹森千人。ここまで読んで思った人がいるだろう。「我が家」っぽいのか?と。しかし、実際は違う。彼らには、明確なツッコミが存在しない。ボケもツッコミも全員がする。コント毎にツッコミの担当者が違う。シュールでスタイリッシュなコントである。

しかし、その中にナンセンスな笑いもブラックな笑いも存在しない。ボケ自体もすごくわかりやすいシンプルな作りになっている。

そして、彼らのネタは幅広い。ありえないけど、もしかしたらありうるかもしれないことをシュールに表現するコント。今までに何度も見た事があるようなシチュエーションコント。巨大なボケが出現し、ただただ2人が翻弄されるだけのコント。「フリ○○」という、物語性を一切無視してエンターテインメント性のモノマネ笑いのみを追及したコント。これぞシュールの極みともいえるショートコント。それぞれが勘違いをしてしまうコント。ひたすら歌い続けるだけのコント。そして、物語性に大きな比重を置いた演劇チックなコント。彼らは、シュールと勢いの割合を変えることでも、ネタに幅を利かせている。

彼らには、ボケもツッコミもない。3人とも「表現者」という言い方が1番シックリだと思う。だから、「ボケ3人」「ボケ2人、ツッコミ1人」「ボケ1人、ツッコミ2人」と言った様々なシチュエーションやスタイルが可能となるのだ。

彼らはメディアに露出していきたいのだろうか?それとも、ラーメンズ東京03のように舞台中心のコント師になりたいのだろうか。それは、わからない。ただ、彼らは「ただ、自分達の面白いと思うこと、やりたいこと」をやり続けていける環境が整って欲しいと願う。