今更だが鳥居みゆき「ハッピーマンデー」の感想を書く。

1年半前に発売されたDVDの感想です。一段落し、ようやく見れました。

まず、僕は鳥居みゆきに勝手なシンパシーを感じている。なんとなく、ものの考え方や面白いと思っていることが、似ている気がしている。
今回のDVDの収録されていた中でも、幕間で鳥居がポエムを読んでいる。その中での言い回しが、僕が以前オリエンタルラジオのANNR「なくたがわ賞」というコーナーで書いたネタの言い回しが数箇所被っているのだ。例えば、僕が依然書いたネタの中では「今回の会場は東京ドーム1個分の会場、東京ドーム」という言い回しをした事がある。一方で、鳥居のポエムの中にも「何故だろう、こうして石を撫でていると石を撫でている気分になる」という表現が使われている。
その他にも、普通の言葉をナンセンスな使い方・放り込みで押し切る所とか、日本語でいいのに敢えてそこだけ英語に直す所とか、石川啄木などの文学的表現を一部に盛り込んでくる所とか、単純な掛け言葉でギャグを言い回しノリツッコミとか、芸能人の黒歴史の弄り方とか。懐かしいフレーズとか。とにかくブラックな感じとか。下ネタでペッサリーをチョイスする所とか。
それは、お笑いとして誰もがやっていることも含まれているんだけど、使い方と言えばいいのか?とにかく、僕が好き好んでいる表現と近いような気がする…という勝手な思い込みをしている。だからね、僕は勝手に「鳥居みゆきとは感性が似ている部分がある」と思っているのです。だから、このDVDに関しても全面肯定派です、僕は。

それで感想なんですけれど。DVDに収録されているネタ5本は全て既見だったのですが、観客の笑い声が入っていないと印象が変わるなと。個人的にはひきこもりが1番好き。あ、逆子だ!マトリョーシカ(笑)妄想の中で徐々に正気を失っている過程が、独特の言い回しとギャグでブラックな笑いへと昇華されている。でも、鳥居ファンの僕の見所はポエムと24時間監視だった。ポエムではネタ同様鳥居独特の紡がれる言葉達と言葉遊び・ナンセンスさが堪らないです。監視の方では、ナチスの拷問時に実際あった症状のパロディっぽく。とにかく、1つの作品として完成されている。鳥居って、笑いの量とか関係なく、やりたいことをやりたい世界観でやるタイプだと思う。(だから、鳥居を100%楽しみたいのなら、それ相応の知識が無いとダメかもね)マサコを本編に入れなかったのもだからだろうね。そんな鳥居の世界観って、めちゃめちゃダークなのは初期設定だけで、運び方はとてもポップなんだよなぁ。一部の狂気的なボケが強烈だから注目されないが、その他のボケはあるあるネタと言葉遊び・パロディだもん。狂気的なボケとベタなボケが絶妙なバランスで成立している。こんな感じで。

僕は鳥居みゆき中田敦彦の世界観が好き。この2人の狂気は、他の芸人とは大きな開きがあると思う。それでも、この2人を比べても、鳥居みゆきの狂気ってずば抜けていると思う。コントによって、キャラを変化させる器用な芸人は多いけれど、彼女は違う。頑ななまでに、狂気を前面に押し出したキャラコントしかしない。だが、そのなかで人格と口調を巧みに変化させ、コントとしての幅を広げることに成功している。これが、内面の狂気と外面の狂気を使い分けている(使い分けてしまっている?)中田敦彦との決定的な違いだ。(これは、吉本と非吉本との違いとも言える。)彼女は「やれない」のではなくて、「やらない」のだ。「やりたくない」んだろう。頑固なんだろう。でも、だからこそ鳥居は「ネタと心中する覚悟」を持ち合わせている。そこが、R-1で友近を蹴落とせた要因だろう。

ちなみに、このDVD2回連続で見ると、信じられない光景が現れます。しかも、1ヶ所だけではないです。僕はこの感想を書くために、1回目見終わったまま垂れ流しにしておいたら驚愕しました。パート2なんてどこかで来るぞ来るぞ…って思ってて、あれ?1だけ?と思った所に来たし。パッケージに書かれている「一部過激な表現が含まれています」というのは、もう1つの隠しトラックのことでしょう。後、各タイトルは1番最後に入れたほうが良かったかも。初見の人にはネタバレになってしまう部分がある。あと、特典のメイキングに724Tシャツ!!水子供養はエンタ批判?

とりあえず、このような特典を、レンタルにも入れてくれたサンミュージックに感謝です!吉本はセコいから特典映像はセルでしか付いてないんだよねぇ〜。

ただね、残念なのは頻繁に利用するGEOには、鳥居のDVDはコレしか置いていないんですよね。というか、お笑いDVD自体かなり少ないのです。あぁ、東京とはいえ郊外のベッドタウンとしての機能しか無い街に住むが故の悩みです。バナナマンラーメンズエレキコミックなんて1枚も無い。そのくせ、永野はあったりする(笑)1週間レンタル可能になったら見ようっと。