今更ではあるが「オリエンタルラジオ 才」の感想を書く

本当に今更ですが…。「業」そして「我」ライブをしている段階で「才」の感想を書くと言うのはどうかと思いますが…。

「才」です。このライブは「漫才師」オリエンタルラジオ単独ライブツアーの1発目です。

内容は75分ノンストップの漫才。見た率直な感想は…「え?どうしてM-1であのネタをチョイス?」そして「凄っ!」というものだった。そしてね、漫才の王道にしっかりと挑んでいこうという心意気を感じました。

具体的な内容については、大仕掛けもある関係で伏せます。どうせ、多くの人が知っているでしょうが…。


現在の漫才は、手法としては飽和し尽している。だから、どのコンビもシチュエーション、そして「ツッコミ」で個性を出していく漫才が増えている。現在の芸人が、しゃべくりではなく漫才コントを主軸にしていくのはそのためだと思う。

この「才」の中でも、漫才コントの「下手な」シチューエションが網羅されていたと思う。使い古されたシチュエーション・パターンにわかりやすいボケを的確になぞっていく「教科書」みたいな漫才だった。言ってみれば、おそらくオリエンタルラジオ以外の腕がある漫才師が演じたとしても、大きな変化は無く楽しめると思う。オリエンタルラジオとしての空気は無かった。(決して、批判的な文章を書いているのではありません。4年目の若手が、このクオリティで出来るのは凄い!漫才中噛まない!)

しかし、それが逆に凄いのだ!と僕は言いたいのである。若手芸人に多いキャッチーなものに走ろうとはしていないのである。一発逆転のネタを作ろうとはしていない。これは、若くして売れた唯一の好材料だと思う。じっくりと一歩一歩漫才を熟成させていく事が出来る。弊害としては、経験数を踏む事が出来ないことであろう。

言ってみれば「十」「才」の2つの中で、本来若手の内に経験できる技術・知識というものを一気に手に入れようとしていたのではないかと。舞台数を踏めなかったことを。この濃密な時間で学んでやろうと。そんな感じ。だって、75分強の中に23本組み込んだ!これは多い〜。(二丁拳銃の「百式」という漫才ライブのDVDも見たのだが、100分の中に16本だった。)

だから、「綺麗過ぎる」と言える。正直、このDVDに3000円の価値はあるか?と言われたら…無いかな…。何度も繰り返し見ようとは思わない…かな。見る方も凄い体力使うから(笑)あと、最後のお客さんへの「I LOVE YOU」要らないっす。

今気付いた!

僕は、M-1敗者復活でどうして「卒業証書授与」をやらなかったんだろうって思ったんだけど、この漫才はボケとツッコミが逆転しているんだ。その他にも、このライブの中で会場のウケが強かったと思われる漫才は、ボケとツッコミが逆転していくものが多かった。なんていうか、ラジオや無限大の雰囲気の漫才。しかし、M-1ではボケ・ツッコミは逆転しないものを選択した。こういう所に、心意気を感じるのです。

だけど、若手漫才の頂点「M-1」を獲るためには、ラジオや無限大の雰囲気を漫才の中に取り組むことは不可欠であると。逆に言うと、この雰囲気を取り組む事が出来たら、それは「オリエンタルラジオの漫才」であるし、M-1も取れる思います。2012年くらいかな〜?

「業」「我」はDVD化されるのかなぁ?楽しみに待つことにします。

あぁ、後は特典映像が見たい…レンタルにも入れてくれればいいのに。がめつい吉本。世間は不景気。